社長が毎週月曜日に投稿している招鬼猫を題材にした物語です。
第39話
荷車を引き賑やかな市場を抜けると、港に朱色が鮮やかな3隻の遣唐使船が現れ、多くの荷夫達が様々な荷物を船に積み込んでいるのが見えます。
船に近づくと、普照が中央に泊まっている船の上から手を振っています。
その船に渡されている橋桁の前に荷車を停め、荷を留めていた紐を解いていると、普照が一人の貴人を伴い船から降りてきました。
普照は周親子に慇懃な挨拶をしてから、「こちらの方は私達と一緒に日本に帰る阿倍仲麻呂様です」と先ほどの貴人を紹介しました。
そして秀傑に運んできた荷を解き、鴟尾を阿倍仲麻呂に見せるよう促しました。
荷車には藁で編んだ莚(むしろ)に包まれた二体の鴟尾が載っています。秀傑が荷車の上で莚を解くと、綺麗ないぶし銀色をした鴟尾が現れました。
阿倍仲麻呂が「私が日本に持ち帰りたかったのはこの鴟尾だ、これで想い残すことなく日本に帰れる」と普照の手を握りしめています。
「ジャーン、ジャーン」と出港の準備を早く終わらせる合図の銅鑼が鳴りました。
阿倍仲麻呂が近くにいた荷夫達に鴟尾を遣唐使船の第2船に載せるよう指示し、船へと運びこまれていきます。
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