社長が毎週月曜日に投稿している招鬼猫を題材にした物語です。
第37話
秀傑に近くで見るよう促された普照は、スズと一緒に近づき、膝を地面につけて鴟尾を見ています。
そして、「阿倍仲麻呂様と私が思い描いていた鴟尾そのものだ」、「秀傑さん、この鴟尾と同じ物を日本に持っていきたいのですが作ってもらえないですか」と続けざまに興奮した様子で話し始めました。
興奮して話す様子に戸惑い、訳が分からない秀傑は「どうされたんですか」と聞くのが精一杯です。
「今回の渡航で、私たちの夢が二つも叶うのです」と普照が答えると、「鑑真様を日本にお連れする遣唐使船で私の作った鴟尾も日本に運ぶのですね、出港するまでに鴟尾を作ります」と納得した顔で秀傑は返事をしました。
「お願いします。私はこの事を阿倍仲麻呂様に伝えるため長安の都に行きますので出港の日に港でお会いしましょう」と言って立ち上がると、スズが体を足に摺り寄せています。
「秀傑さん、スズも必ず連れてきてください」と言うと、スズが嬉しそうな顔で「ニャー」と鳴きました。
しばらく二人は日本の事を話し、普照はその日のうち工房を後にして都に向かい、秀傑は日本に運ぶ鴟尾を作り始めました。
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