招鬼猫物語

招鬼猫物語第19話

社長が毎週月曜日に投稿している招鬼猫を題材にした物語です。

第19話

楊おばさんと一人の男がしゃがみ込み、蹴り上げられぐったりとしているスズを心配そうに見ています。

「王船長に知らせてくるから、あんたスズを見ておいてね」と男に言って楊おばさんは船に走っていきました。

男は持っていた万頭の包みをスズの近くの地面に置き、ぐったりしている体を優しく撫でてやります。

すると鼻がピクピクと微かに動き、目を薄っすらとあけはじめました。

「よかった、よかった」、「万頭の匂いで気が付いた」と心配そうに取り囲んでいた人々が笑顔で言っています。

スズは普照を探すかのように辺りをキョロキョロと見渡しています。

すると涙を流しながら楊おばさんが戻ってきて、スズを抱き上げ「王船長は亡くなったんだね、これからどうするんだい」と優しく問いかけます。

スズは「普照を探したいと」大きな目で訴えています。しかしその気持ちはおばさんには分かりません。

おばさんが「誰かスズを引き取ってくれないか」と集まっている人々に聞き始めました。

「私が引き取ろう」と万頭の包みを持っていた男が名乗りでました。


第1話~第18

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招鬼猫物語

招鬼猫物語第18話

社長が毎週月曜日に投稿している招鬼猫を題材にした物語です。

第18話

弟子たちが鑑真を守るように役人の前に立ちはだかり、栄叡、普照は鑑真を挟んで立っています。そしてスズは「なんだこいつ」という目で役人を睨みつけています。

しかし、鑑真は「おとなしく船を下り、牢獄に行きますぞ」と言い、役人の前に歩み出てしまいました。

弟子たちが膝から崩れ落ち床を叩き、嗚咽をあげながら役人に許してくれるよう懇願します。

「勅令を破り、日本に渡ろうとした罪は重い」と役人が言います。

弟子の一人が「栄叡、普照が悪いんだ。鑑真様は騙されただけなんだ」と訴えています。役人が「早く、船を下りろ」と訴えている弟子を蹴り飛ばしました。

しばらくして鑑真一行が船から降りてきました。岸壁でその成り行きを見ていた人々が高僧の鑑真に向かって手を合わせ、心配そうに見ています。

鑑真に縄が掛けられると人々から悲しみの声があがり、泣く者もいます。

捕縛された鑑真一行が牢獄に向かって歩きはじめると、スズが普照の足元を離れずにいます。

役人の一人がそれに気づきスズを蹴り上げました。普照はぐったりするスズを助けることもできず牢獄に連れていかれてしまいしました。


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招鬼猫物語

招鬼猫物語第17話

社長が毎週月曜日に投稿している招鬼猫を題材にした物語です。

第17話

人々の顔が分かるほど船は岸壁に近づいてきました。

「綱を渡せ」と水夫長が水夫達に命じます。船首、船尾から岸壁に向けて紐が結ばれた矢が放たれました。

それを港で働く荷夫達が拾い、結ばれている紐を手繰り寄せ綱を引き始めます。「そーれ、そーれ」の荷夫達の掛け声と共に船がゆっくり、ゆっくりと岸壁に近づいてきます。

「碇を下ろせ」と水夫長が水夫に命じます。水夫が船尾にある碇巻き上げ機の歯止めを外すと、碇が大きな音を上げ海中へ沈んでいき船が止まりました。

鑑真が「無事に戻れましたな、もう一度日本へ行く準備をしますぞ」と栄叡、普照に言います。「はい、お寺に戻り準備しましょう」と栄叡が答えます。

船に橋桁が渡され下船の準備が整った岸壁は、高僧の鑑真を一目見たい人々が集まっています。

その中、官服を着た刑部司門の役人達が現れ船への出入りを禁止してしまいました。一人の役人が船に渡り、鑑真一行に「律を破った罪で牢獄に連れていく、おとなしく下船しろ」と伝えました。

それを聞いた普照は、お寺に連れていくつもりで抱いていたスズを床に下ろすことにしました。


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招鬼猫物語

招鬼猫物語第16話

社長が毎週月曜日に投稿している招鬼猫を題材にした物語です。

第16話

明州の港町の市場は朝から食材、衣類、雑貨などを買う人々で賑わっています。

港に近い一角からいい匂いと共に「美味しい万頭があるよ、そこのお兄さん買っていきな」と楊おばさんの元気な声がしています。

「最近、鈴を付けた可愛いネコを見ないがどうした」と万頭を買いに来た男がおばさんに尋ねました。

「王船長のとこのスズのことかい、4日前に日本に向かったよ」と楊おばさんは答えながら蒸し器から万頭を取り出し、包んで男に渡しました。

港の方角が何か騒がしくなっています。「船が帰ってきた」、「船が戻ってきたぞ」、「日本に向かった船が帰ってきた」と聞こえてきます。

市場にいた人々が港へ向かい始めました。楊おばさんも店を閉めて港へ向かうことにしました。

岸壁では多くの人々が港へ近づいてくる船を見ながら「あれは4日前に日本に向かった王船長の船だ」、「どうしたんだ」、「鑑真様がお乗りになっている」、「鑑真様は大丈夫なのか」と話しているのが聞こえてきます。

そんな人々が集まっているところとは別の場所には、船が着くのを待つ刑部司門(ぎょうぶしもん)に仕える役人達の姿があります。


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