社長が毎週月曜日に投稿している招鬼猫を題材にした物語です。
第36話
スズが尻尾をピンと立て二人の後に続きます。
山の斜面に面した広場に出ると、女、子供が何百枚もの瓦を1枚ずつ立て、互い違いに並べ天日干しの作業をしています。
秀傑にとっては毎日の見慣れた光景ですが、普照にとっては初めて見る光景です。
普照が足を止め、「まるで胎蔵界曼荼羅に描かれている菩薩を取り囲む模様のようだ」とつぶやきました。
それは、天日干しの作業をしている一人一人が均一の距離を保ち、持ち場の瓦を常に陽の当たる方向に並べ変えているため、幾何学模様に囲まれた菩薩のように見えたからです。
秀傑も足を止め、「確かに曼荼羅のようだ、そうするとあそこの辺りが死者の門か、なぜ今まで気がつかなかったのか」と思いながら見ています。
しばらくその光景を見ていた二人は再び歩き始め、秀傑の作業小屋に入って行きました。
うす暗い小屋の中央に、藁で編んだ莚(むしろ)が巻かれた、人の腰の高さほどある物体が二つ見えます。
秀傑が明かり窓を開け、莚を外すと、2体の沓(くつ)を逆さまにしたような鴟尾(しび)が現れました。
その鴟尾は、沓のつま先部分にあたる上部は白く、下にいくほど白と茶色がまだらになっています。
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