社長が毎週月曜日に投稿している招鬼猫を題材にした物語です。
第16話
明州の港町の市場は朝から食材、衣類、雑貨などを買う人々で賑わっています。
港に近い一角からいい匂いと共に「美味しい万頭があるよ、そこのお兄さん買っていきな」と楊おばさんの元気な声がしています。
「最近、鈴を付けた可愛いネコを見ないがどうした」と万頭を買いに来た男がおばさんに尋ねました。
「王船長のとこのスズのことかい、4日前に日本に向かったよ」と楊おばさんは答えながら蒸し器から万頭を取り出し、包んで男に渡しました。
港の方角が何か騒がしくなっています。「船が帰ってきた」、「船が戻ってきたぞ」、「日本に向かった船が帰ってきた」と聞こえてきます。
市場にいた人々が港へ向かい始めました。楊おばさんも店を閉めて港へ向かうことにしました。
岸壁では多くの人々が港へ近づいてくる船を見ながら「あれは4日前に日本に向かった王船長の船だ」、「どうしたんだ」、「鑑真様がお乗りになっている」、「鑑真様は大丈夫なのか」と話しているのが聞こえてきます。
そんな人々が集まっているところとは別の場所には、船が着くのを待つ刑部司門(ぎょうぶしもん)に仕える役人達の姿があります。
第1話~第15話はアーカイブ、カレンダーから検索してお読みできます。
