社長が毎週月曜日に投稿している招鬼猫を題材にした物語です。
第7話
スズは「しまった、奴らだ」という顔で辺りをキョロキョロと見渡しましたが、そこには暗闇と船に当たる波の音だけが広がり、奴らの姿はどこにもありません。
しばらく辺りを警戒して見ていましたが、諦めて汚れていた顔を足と舌を使い綺麗にして少し休むことにしました。
時がどのくらい経ったでしょうか。船に当たる波の音が大きくなり、船倉に積まれている木箱がギシギシときしむ音をだすようになってきました。
丸くなって寝ていたスズが大きな耳をピンと立て辺りの気配をうかがうと、甲板から「帆を早く降ろせ」、「荷物が流れないよう縄で縛れ」と王船長の声がかすかに聞こえてきます。
しばらくすると船倉がロウソクの灯りで明るくなり、雑人達が縄で水甕、木箱を柱に縛り始めました。
スズはいつもと違う気配を感じ、大急ぎで甲板へ上がる階段を駆け上がります。数時間前までは綺麗な夕日、無数の星が見えていた空が真っ黒く重たい空になり、湿った風が吹きつけ波が高くなっています。船長が大きな声で水夫達に降ろした大きな帆を縄で船に固定するよう命じています。
遣唐大使の部屋から出てきた栄叡と普照がその様子を心配そうに見ています。
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