社長が毎週月曜日に投稿している招鬼猫を題材にした物語です。
第8話
ピカッと稲妻が走り、一瞬空が明るくなりました。そこには水平線から幾十にも重り、船に向かってくる雲が見えました。
王船長が「これは…….まずいぞ」と誰にも聞こえないほどの声で言ってます。足元でその声を聞いていたスズの額にポつん、ポつんと空から大粒の雨が落ちてきました。
その空にまたピカッと稲妻が走り、今度は大きな雷鳴が轟きます。スズはビックリして、一瞬固まって身動きができませんでしたが、慌てて遣唐大使の部屋に逃げこみました。
部屋の中では隙間から入る風で、今にも消えそうにロウソクが揺らめき、一番奥の客座に置かれた毘盧遮那仏(びるしゃなぶつ)像に向かい鑑真と弟子たちがお経を唱えてます。
しばらくするとお経を唱える声より雷鳴、雨音、波音が強くなり、部屋に置かれていた荷物が前後左右に転がり始めました。弟子たちは毘盧遮那仏(びるしゃなぶつ)像が倒れないよう必死に押さえ、栄叡と普照は鑑真と共に天候の回復を願いお経を唱え続けてます。
しかし、船には次々と大きな波が襲い続け、上下左右へ大きく傾き、今にも海のもくずとなりそうです。
すると船倉からガチャン、ガチャンと何かが割れる音が響きはじめました。
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