社長が毎週月曜日に投稿している招鬼猫を題材にした物語です。
第27話
残された牢番は棒で牢を叩きながら、強い口調で「お経を唱えるのを止めないともっとひどい目に遭うぞ」と言っています。
しかし、鑑真達はそこに牢番がいないかのように微動だにせずお経を唱え続けています。
牢番の詰め所に戻っていた牢番が手に薄汚れた竹籠を持って戻ってきました。
残っていた牢番は今から始まる光景が目に浮かぶのか、ニヤニヤしながら戻ってきた牢番に竹籠を牢の中に置けと目配せをしています。
薄汚れた竹籠が牢の中に置かれると、待っていた牢番が棒で鑑真を取り囲んでいる弟子たちの前に勢いよく押し入れました。
すると竹籠が勢いで横向きになり蓋が開き、中から小さな物体が幾つも放り出され動き回り始めます。
それを見た牢番達は笑いながら「嚙まれるなよ」と言って何処かへ行ってしまいます。
お経を唱える声が止まり、若い弟子たちが「ネズミだ、ネズミだ」と次々に叫び声を上げ始めました。
栄叡が「敷いてある藁を束ねろ」と弟子たちに命じ、弟子たちが慌てて藁を束ね、箒(ほうき)のようなものを作り上げました。
そして、それを手に持った栄叡はネズミに向かって振り始めました。
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