社長が毎週月曜日に投稿している招鬼猫を題材にした物語です。
第45話
雑人達が船に繋がれた筏から、満杯になった水甕を次々と甲板に引き上げ、船倉へと運んでいます。
秀傑は雑人達の邪魔にならいように船倉に下り、暗闇に目が慣れると柱に縄で固定されている2体の鴟尾(しび)を見つけることができました。
近づき縄を引っ張り緩みがないか確認をしてから、周りを見渡すとそこには山のように経典が積んであります。それを見た秀傑は、この経典も鴟尾と同様に無事に日本に着きますようにと、心の中で祈ることにしました。
第一船に戻ると、こちらも島に水を汲みにいくため甲板から筏に水甕が次々と降ろされ始めています。
筏には海中に尻尾をゆらゆらと垂らしているスズの姿があります。
一瞬、水しぶきが上がり、尻尾と色鮮やかな魚が空中を舞い上がり、魚が筏の上に落ちてきました。スズは直ぐにそれを口に加え、誇らしげな表情で秀傑を見ています。
陽が水平線に沈むころ、水の補給が終わった第二船から阿倍仲麻呂が普照の元を訪れてきました。二人は赤く染まった海を見ながら、今までの苦難と日本の未来を語り合い、大宰府での再会を約束しました。
翌日の早朝、阿児奈波嶋の入江を出ていく第二船の姿があります。
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