社長が毎週月曜日に投稿している招鬼猫を題材にした物語です。
第42話
港が見えなくなり、甲板にいた者たちは思い思いの場所に座っています。
秀傑も帆柱近くに座り、日本に帰国する留学生にまだ見ぬ日本のことを聞いています。
船が湾に浮かぶ最後の島を通り過ぎる頃、「秀傑、秀傑はどこにいる」と普照の声が船尾の方から聞こえてきました。
秀傑が立ち上がり船尾へ歩き始めると、帆柱の上にいたスズが降りてきて後を追って付いていきます。
船尾にある部屋の扉前で普照が秀傑を捜しています。近づいてきた秀傑に気が付き、「鑑真様にご挨拶しなさい」と部屋に招き入れました。
部屋の中央に鑑真が座り、周りを弟子達が囲んでいます。「鑑真様」と普照が声を掛けました。
弟子の一人に手を取られ鑑真が立ち上がります。鑑真は優しい表情で「良い瓦を日本に伝えてください」と言い、秀傑の手を優しく握り締めました。
秀傑は感動と緊張で挨拶もできずに立ち尽くしています。
そこに、「チリン、チリン」と鈴を鳴らしてスズが部屋に入ってきて、鑑真の足元で「ニャー」と鳴きました。
鑑真がすぐに「大事な経典と私達を守ってくださいよ」と話しかけます。
すると、「ニャー」と返事をするので部屋中に笑い声がおきあがり、皆が優しい目でスズを見ています。
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