招鬼猫物語

招鬼猫物語第20話

社長が毎週月曜日に投稿している招鬼猫を題材にした物語です。

第20話

「あんたならいつも万頭を買いに来てくれる人だから、スズを預けても心配ない」と楊おばさんが言います。

男が「俺の家に来れば毎日万頭を買ってやるぞ」と大笑いしながら、スズを抱き上げ、あごを撫でます。

すると喉を鳴らしながら尻尾を振り始めました。

それを見た楊おばさんは「万頭を買いに来るときに連れて来てもらうんだよ」と言って、お店に戻って行きました。

「よし、俺たちも家に帰るぞ」と男は言い、抱いていたスズを肩の上に乗せ市場に向かって歩き始めました。

市場には多くのお店があり、通りは人と人がぶつかるほど賑わい、市場の広場では見世物を見る人達の輪が何重にもできています。

「スズじゃないか、どうしたんだい」と不托(ふたく)を売っている公さんが声を掛けてきました。

男はまだ不托を食べたことがなかったので店の前で立ち止まってやりました。

スズは都の長安から新しく伝わった麺「不托」を作るところを見るのが大好きでした。

公さんが小麦粉を練ったものを手ではなく、棒を使ってクルクルと伸ばし始めると、スズは回る棒を大きな目で追い始めました。


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