社長が毎週月曜日に投稿している招鬼猫を題材にした物語です。
第44話
船の底から「ゴツン、ゴツン」と鈍い音が響いてきました。
船長が帆柱の上にいる見張りの水夫に「珊瑚が船底を叩いているぞ、海面が濃く、青く見える方角に船を進めろ」と命じます。
水夫は目を凝らして海面を見ます、するとエメラルドグリーン色の海面に入江と続く濃く青い道が現れました。「前方の海にせり出した断崖絶壁を右に見えるよう進んでください、その奥に船を留めることができそうな入江があります」と伝えました。
無事に入江に入ると、そこには一緒に出航した阿倍仲麻呂が乗っている第二船が停泊していました。船は第二船の隣に碇を下ろし、水甕に水を補給するため筏も下ろされました。
「鑑真様も無事に阿児奈波嶋(あこなはじま)まで着いていてなによりだ」と第二船から阿倍仲麻呂の明るい声が聞こえてきました。
普照がその声に気づき、「ここまで来れば島伝いに船を進めば安全ですから、阿倍仲麻呂様の35年ぶりのご帰国も叶うでしょう」と答えました。
秀傑は橋桁で繋がれた第二船に渡り、船倉に収められた鴟尾(しび)の様子を見に行くことにしました。
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