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招鬼猫物語第22話

社長が毎週月曜日に投稿している招鬼猫を題材にした物語です。

第22話

公さんの奥さん香凛(カオリン)が店の奥から出てきて、「ありがとうございます。ところでスズに会うにはどこに行ったらいいのかい」と尋ねてきました。

「私は阿育王寺(あしょかおうじ)の近くに住んでいる周です」と男は答えました。

「阿育王寺は鑑真様が船に乗る前にお寄りになったお寺だね、スズも鑑真様と船で一緒だったのよね」と香凛がスズの頭を撫でます。

スズは「にゃー」と鳴き、目を大きくして尻尾を振っています。

香凛は「周さん、阿育王寺にお参りに行くときにスズに会いにいきますね」と言い、机の上のお金を手に取り、お椀を片付け始めました。

周はスズを肩に乗せ店を後にすることにしました。周の家がある阿育王寺の麓までは市場からかなりの距離があります。

どれくらい歩いたでしょうか、陽も傾き、道は竹林に覆われうす暗くなってきました。竹林からは獣の鳴き声がしてきます。

周はスズが不安になっていると思い、肩から下ろして抱くことにしました。

また、しばらく歩くと陽が落ち、辺りは真っ暗になってしまいました。スズの目が大きくなり、耳がピンと立っています。

周の足取りが急に軽くなると、暗闇の中に赤い点が見えてきました。


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