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招鬼猫物語第21話

社長が毎週月曜日に投稿している招鬼猫を題材にした物語です。

第21話

調理台一杯に薄く伸びた生地が出来上がりました。すると公さんはその生地を包丁で器用に細く切り、ぐつぐつ煮えている鍋に入れ茹で始めました。

男が「手で伸ばさないのか」と独り言を言っています。それを聞いた公さんが「手に頼らないから不托っていう名前だよ」と教えてくれました。

しばらくすると不托が茹で上がり、椀に入れた不托の上に刻んだ野菜と甘酸っぱいタレを掛けました。そして、「うちの不托は甘酸っぱいのが売りだよ、食べてみな」と差し出しました。

男は差し出された椀を店の前にある机に置き、椅子にすわり不托を食べ始めました。スズは隣の椅子の上に座り食べるのをじっと見ています。「タレが絡んで美味いな」と男がスズを見ながら言います。

それを見て公さんが「スズはどうしてあんたと一緒にいるのかね」と尋ねました。

男は「王船長が嵐で亡くなって、万頭売りの楊おばさんに頼まれたんだよ」と返事をしました。「これからスズの事をよろしく頼むよ」と公さんは言い、次の仕事に取り掛かり始めました。

不托を食べ終わった男は金を机の上に置き、スズを抱きあげ立ち上がりました。


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