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招鬼猫物語第13話

社長が毎週月曜日に投稿している招鬼猫を題材にした物語です。

第13話

乾かした経典が納められた木箱は、嵐で割れてしまった水甕のあった場所に置かれていました。スズはその木箱の上にひょいっと飛び乗り、大きな目で周りを見回します。

甲板に上がる階段近くには竹籠の中で鶏が寝ています。その奥には粟、米が入った袋が湿った状態で積まれ、破れた袋から床に粟、米がこぼれています。そして、船の中央から船尾は様々な箱が散乱したままです。

しばらくの間、スズが後ろ足を体の下にしまい前足を突き出した状態で座っていると、暗闇にかすかに「きぃ、きぃ」と何かが鳴く声がしてきました。

スズは大きな耳、大きな目を音のする方に向けてから静かに立ち上がり、箱の上から音もたてず床に降りて行きました。

すると突然、目にもとまらない速さで粟、米がこぼれている床に向かって飛びました。「ぎぃ、ぎぃ」と小さな悲鳴のような鳴き声が暗闇に響きます。

遣唐大使の部屋にスズが何かを口にくわえて入ってきて、普照の足元でくわえていた物を落としました。その落とした物は一匹のまだかろうじて生きているネズミです。

スズは「どうだ捕まえたぞ、大事な仕事をしたぞ」と自慢するような顔で普照を見上げています。


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